おかあさんといっしょとわたし
おかあさんといっしょに出会ったのは2020年2月。絶対に間違いないのは、初めて聴いた月歌*1が「きみイロ」だったから。
最初はお兄さんお姉さんの200%の元気がこそばゆく、あまり直視できなかったのを覚えている。0歳児との代わり映えしない室内保育のひとつになれば、程度の気持ちだった。
先輩母さん達のおかいつトークにもついていけず、『みんなママやってんなぁ』とちょっと斜に構えてたぐらいだ。
それがどっこい、そこから育休終了するまで1年半、どっぷり「おかいつ沼」にハマり、助けられ、励まされた。
室内保育は「私・夫・おかいつ」の三位一体でこなせたと言っても過言ではない。
パートとしては、下記に分かれる。
- ご挨拶、季節・時節の歌★
- 過去の月歌
- 人形劇(がらぴこぷ~)
- 生活習慣VTR(はみがきできるかな?等)
- 曜日別出し物(シルエット博士等)★
- 動物VTR
- 体操★
- お別れの歌、バイバイ★
★がついているところは本来であればキッズ達が参加パートだがコロナ禍で募集無し。再開を待つ間に大きくなってしまった子達もきっといるだろうと思うと悲しい。ちなみに2020年2月から観始めた我が家は、ほぼ無観客の記憶しかない。
育休中、私は「私」がどこかにいってしまった気がしていた。当たり前だが24時間子どものことが優先で、何ひとつも自分の思い通りにはならない、何をしてても集中できない、何を見ても楽しくない。波が海岸の砂を削り取っていくように、少しずつ少しずつ自分がいなくなっているような気がしていた。子どもの可愛さとそれらは対ではないのだから、子どもがいくら可愛くても埋まるものではない。
おかあさんといっしょをつけると子どもは食い入るように見るので、「こりゃ楽になるぞ」と約25分の休憩時間が増えた。
毎日毎日繰り返される同じような内容。ある日ふと、「この曲好きだな」「今のバク転すごいぞ」「今日の衣装かわいいな」と違いに気づくようになる。同じように見えていた25分が、毎回あの手この手と工夫を凝らされていることに気づいた。毎日16時を楽しみに過ごすようになるにはそう時間はかからなかった。
子どもが笑い、指を指す。私も歌ったり踊った楽しい。初めて子どもの「楽しいコンテンツ」と私の「楽しいコンテンツ」が一致した気がした。
もう少ししたら、一緒に歌ったり踊ったりできるのだろう。その日を母はすごくすごく楽しみにしている。そして私のお葬式には前段の「きみイロ」を流してほしい。人生に彩りを与えてくれた曲だから。
おかいつメンバーの皆様、スタッフの皆様、ここに一人、あなた方に救われた人間がいます。きっと全国にもたくさん。感謝を込めて。
*1:月歌…ほぼ毎月、季節などに合わせた新曲が発表される。母達は月初を楽しみにしている。